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フィクションか、ノンフィクションか。

Dear みんみ

小学校高学年になったあたりから

学級委員をやったり、場をまとめる役目をしてくれるみんみと友達になって

なんでか行動を共にすることが増えた。

 

みんみは、スポーツ得意で明るくて、友達も多くていじられたり、でも慕われていて

一緒にいて、「みんみ〜」といろんな子から声をかけられている姿をよくそばで見るようになって

人気者っちゅーのはこういう子のことを言うんだなあ、と思った。

 

 

私は仲良くなった子以外には興味がないタイプだったもので、わりと交友関係は限られてるタイプだったんだけど

みんみを見て、もうちょっとみんなと、くだけた関係になれたら、楽しそうだなあ、なんて思うようになった。

 

 

 

もともと私は、家庭のこととか、周りからの情報によって勝手にイメージを作られてることが多々あって

優等生

なんでもできる

お嬢様

などなど

 

私はあなたのこと何も知らないんですけど、なぜあなたは私の情報を持ってるんですか?みたいなことも多くて

 

よく知りもしないくせに、勝手に作られたイメージのまま寄ってくる人もいて

そして知らぬ所で嫌われてたり妬まれてたりしたこともあったのだけど

 

 

全然違うんだけどなぁ

苦手なこともかなり多いしなぁ

とか思うものの

自分はこうだよ!ってあけっぴろげに出来なくて

ちょっと、つまんないなって思う時期があったのね。

 

 

みんみが文化祭でギターやろうよ!とか、生徒会一緒に入ろうよ!って言ってくれたから

私の中学時代はほんとに楽しかった。

 

みんみと一緒にいると、あ、こういう時にこう声をかけると喜ばれるんだ、とか

こう絡むと盛り上がるんだ、とか

無意識に吸収することが多くて

 

 

私は私なりに

小学校中学校と、せっかくメンバー変わらず持ち上がりだし、もっとみんなとワイワイ仲良くさわぎたいって気持ちもあって

自己開示する努力もしたし

イメージを壊したかったし

私は私だ!って胸張って

たくさんいろんな子と話して笑うようになった。

 

 

 

いつからか

みんみと一緒にいる時に「さやか〜」と呼ばれることが多くなってきて

 

はじめは意識してなかったんだけど

ある時、私が呼ばれた時に

みんみの顔が少し寂しそうに見えたことがあって

 

 

でも、みんみはみんみで、変わらずみんなと仲良くてリーダーって感じで

 

だからあまり気にしてなかったんだけど

 

 

だんだんとみんみが静かにしてることが増えてきて、休み時間に読書してる時間も増えた。

私と少し距離を置いてるように感じる一瞬もあった。

 

 

 

あれ?っていう違和感を少し感じつつも

とはいえ、もともといつも一緒、ってわけじゃなかったし

卒業までお互いに楽しく、たまに一緒に笑って

中学時代の思い出として残っていたんだけど。

 

 

 

 

高校に入って、手紙のやりとりをしたりしてて

 

ある時、みんみから

「中学の最後の方、冷たい感じにしちゃってごめんね。実はさやかにちょっと嫉妬しちゃったりしてたんだ。」

って書かれた手紙をもらった。

 

 

 

そうだったのか

あの寂しそうな顔は、そういう感情だったのか…

 

って、やっと理解したのだった。

 

 

 

 

 

みんみは、ずっと、みんみだった。

いつもみんなを引っ張ってて、明るくて

エネルギーがあって

 

私は、みんみの近くにいて、いろんなことを勉強したと思う。

みんみみたいに、みんなと仲良くなれたらって。

 

 

私なりに努力もしたけど

それが、みんみに嫉妬させてしまうようになるとは

寂しそうな顔させてしまうとは

考えてもなかったなぁ…

なんて、しばらく考えてしまった。

 

 

 

傷つけるつもりなんか、これっぽっちもなくても

ただなりたい自分になろうとしてるだけでも

悲しませてしまうことって、あるんだよね。

 

 

 

 

その後、高校も別で手紙のやりとりも途絶え

何年か後

 

 

私の(その頃の)職場で一緒だった後輩が、高校からのみんみと友達と発覚。

 

「みんみと友達なの?!みんみ、よく話すし明るいよね〜♪」

と何気なく話したら

 

「いえ、どっちかっていうと、みんなが話すのを聞いてくれてて、落ちついてる姉御って感じですよ〜」

と。

 

 

 

 

 

 

人は変わるし、成長していく。

 

それはわかってる。

 

 

 

ただ、はたして

 

あの頃の

若くて青い頃の

自分以外になりたいと思う気持ちもほんのり持ち合わせるあの頃

 

 

 

 

 

 

 

 

私は、みんみのこと、ちゃんと知れてたのかな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人は、奥深く

わからないもの

 

 

 

 

 

今だったら、少しはわかれるかな