ずっと心に秘めていたことをそろそろ出そうかと思って書いてみる。
今まで、誰にも言ってないこと。
高校の話。
高校はほんとーうに行きたい場所がなくて受験をサボり、唯一スベリ止めで受かってたところに行かざるを得なくなったのだけど
特進、その下、その下2
とレベル分けがされてて、【その下】で合格していたのだけど、得点が高かったために特進に来ないかと打診されて、特進にいくことに。
それがまーじで間違いだった。
おしゃれ禁止、部活禁止、バイト禁止、恋愛禁止
おまけに毎日テスト、毎日放課後サテライト授業…
学校生活だけでもかなり退屈だったのだけど
集まってる子ともあまり合わず。(っていうか、ある1件があって女子軍団から自ら一人になったんだけど。そこにN子が来てくれて二人でいるようになった。その話はまたあとで)
“女子軍団、まじで考え方合わねー”と思ってた高1の頃の話。
この頃は家でも兄が包丁出して暴言はいたりと、家でもいつ何が起こるかわからない状態だったので、結構私自身尖っていたと思う。
Eちゃんは、とても元気で要領もよくて、でもあざと可愛い部分を隠しもしなかったことと自由奔放さから、一部女子に疎まれてた風があった。
特進にいながら恋愛にもまっすぐで、発言もハキハキしてるEちゃんは、強く見えるけど繊細な部分もあって、自傷行為もしてた。
まあ、それを知った時はまだ、ただのクラスメートくらいの感じでしかなかったんだけど。
ある女子軍団が
「Eちゃんが、腕の傷見せてくる。だから、カッター取り上げたんだ。」
って騒いでて、初めてそのことを知った。
でも、だから何?って正直思っていた。
こちとら、家の中で包丁出されてんすけど。自分の意思じゃねーのに。と。
人の弱さや脆さ、そういうものは目の当たりにしてきたし、そういう部分がどんな風に出るか、それは人それぞれ。
そういうことしたくなる“何か”が、Eちゃんにもあるんだろうな〜、くらいに受けとめてた。
だけど
カッターを取り上げた女子達があまりにも
「自分を傷つけるのは間違ってる。」と正論をかましてるように見えて
“私達は正しいことをしてる”と正義感ぶって自分に酔ってる感じがあって、そういうの、反吐が出るわ〜、と思っていた。
正論で人救えるなら、この世の中悩む人いねーだろ、と。
だって、その女子軍団はEちゃんのことを疎ましく思ってて、たまに目配せしてEちゃんの会話にわざと反応しなかったり、Eちゃんを残して別行動してんだもん。
そんなことしてるやつらに、Eちゃんの何をわかってあげられて、救ってあげられるっていうんだろう。
と、思いながら冷めた目で見ていた時
Eちゃんが私とN子のところに来ることが多くなった。
しばらくして、Eちゃんが女子軍団にもしたように、私達にも傷を見せてきた。
「私、こういうことして気持ち落ち着けてるんだけど、あの子達にカッター取られちゃって…。まあ、カッターはまた買えば済むんだけどね」
と言ってきた。
多分、Eちゃんは私達が驚いたりその行為を否定したりすることを想定した上で話してきたように思う。
だけどその頃の私は、何年も誰にも心の傷を言えず、結果壊れてしまった兄がいたから
“その行為をしてるって、自己開示できるだけマシじゃね?”と思って
顔色ひとつ変えず、「へー」だけ返した。
おそらく、その返しはEちゃんにとって初めてだったんじゃないかと思う。
逆にEちゃんが驚いた顔をしていた。
そのまま、N子がそのことに反応しないように、まったく関係ない話題をあえてふって、その行為が特に大したことでもないように、普通に話した。
N子からあとでこっそり「止めたりした方が良かったのかな」と言われたけれど
「うちらは大袈裟な反応しないで、普通に接するのが一番いいよ」と返した。
次の日から、Eちゃんは女子軍団よりも私達と一緒に行動する時間が増えた。
自傷行為をすることは、別に良い悪いで評されることじゃないと思う。
そうなるまでの過程に何があったか、その行為をしないと埋められない穴は、なんなのか
そこを癒せないかぎり、その行為をするしないに関わらず、辛いのは一緒だ。
高校の頃の私は、なんとなくそう思っていて
その行為を辞めろと言ったり、カッターを取り上げることよりも
ただ普通に一緒にいて安心できる場所を作ること
EちゃんがEちゃんのままでいていいんだと、Eちゃん自身がそう思えるようになることが
私に唯一できることなんじゃないかと思った。
その上で、その行為をするしないは、Eちゃんにしか決められないことだから。
Eちゃんのもつコンプレックスや、恋愛に求めるものは、私にも似通った部分があって
普通に仲良くなっていった。
Eちゃんは男好きと言われることもあったけど、友情にも熱かった。
友情に求めるものと、恋愛に求めるものがハッキリ分かれていて、かつどちらにも一生懸命だし、貪欲で正直。
Eちゃんの愛情が深いゆえに、同じ深さの人って意外といないから、ふと寂しくなってしまうのかなと想像しながら
そこには触れずにただ、そばにいた。
時々、「またしちゃったんだよね…」と言う時もあったけど、「そっか。」と返すのみにして。
Eちゃんが当時付き合っていた先輩に
「Eは寂しがり。俺で埋められるとこもあるけどさやかさんにしか埋められないところもあるから、よろしくね」と言われたこともある。
だんだんとEちゃんからそういう話は出なくなり
腕の傷もたまに見えてもかなり薄れてて
先輩との別れがあっても、私達と一緒にいて、また新たな恋もできたりと、安定してるように見えた。
3年間クラスが同じで(EちゃんとN子は理系、私は文系だったので離れる時間もあったけど)
思えばたくさんの時間を一緒に過ごしたなぁ。
卒業したあと、しばらくしてEちゃんと会った時
“高校の頃は、さやかが一緒にいてくれたから、Eは心が安定したよ。
いつの間にか自分を傷つけることもしなくなってた。
いつもそばにいてくれて、Eがどんなんでもただ普通に、受け入れてくれて、ありがとう。”
と書かれた手紙をもらった。
すごくすごく、嬉しかったし今も宝物。
私がしたことが正しいかと言ったら、それはどうなのかわからないけど
N子も一緒の、私達の時間がEちゃんにとって
少しでも優しくあたたかい時間だったと思ってもらえたのなら
とても嬉しく思う。
Eちゃんは今や3人のママ。
かつ、高校の頃も言っていた夢も叶えて。
何年か前に連絡をとったきりだけど
Eちゃんの人生の1ページに、私がいれたことは
とても光栄だと思う今日このごろ❀